2019年05月11日(土)
潅水を考える [飽差を考える]
自分は一昨年までは、特に飽差を意識した管理はしていなかった。ただ、酷暑対策や乾燥対策としていろいろしてきていた。
その中で潅水間隔が従来よりかなり短くなっていた。
私が寒蘭を始めた頃は1週間に一回とか夏場でも5、6日で潅水していた。それは土の乾き具合を見て潅水しないといけないと教えを先輩から受けていたからだ。その日いくら乾燥していても翌朝まで待って朝の土の乾き具合を見て潅水を決めていた。
これは当時の環境としては間違っていなかった。夏場の暑さが今よりずっとましだったからだ。
自分は暑さ対策をするなかで何のために潅水するのかを改めて考えた。それは植物の蒸散機能を利用して葉温を下げることで、光合成を正常に行わせることが最大の目的ではないかと。
それゆえ今では晴れて水を欲しくなるその日の朝に潅水するようになった。ただし前の潅水の水が十分残っている間はしない。
そのため夏場は中2日とか特に乾燥が続くときは中1日で潅水することもある。
一日、温湿度計と飽差表を眺めながいると、潅水するタイミングも大事じゃないかと思えてきた。朝早くでなく飽差値の上限になった頃(この時期10時くらい)にやれば、光合成が可能な時間帯が伸びるのではないかと。実際潅水後1時間くらいは飽差値を下げている。
ある先輩は私がいつも行く喫茶店に8時頃から9時半頃までいる人だった。冬でも夏でも一年中だった。自分は夏場はここに来るまでに潅水してきたら良いのにと言ったが、頑なに一年中喫茶から帰った10時頃に潅水していた。
その人の作が、あまり明るくない蘭舎なのに良いのはなぜなのだろうといつも思っていたが、私の蘭が光合成をやめる時間帯に、先輩の蘭は光合成を継続させていたのだ。
Posted by woods at 2019年05月11日(土) 06時05分 トラックバック ( 0 ) コメント ( 4 )
コメント
葉に直接水をかけるのはあまりおすすめできません。潅水でぬれるのは仕方ないですが、葉が長時間ぬれ状態になると糸状菌等では病原菌が活発になり病気の発生につながります。
常に良い情報ありがとうございます。このごろ湿度よりも通風に優先を置いているが、湿度がとても重要であろうとは思わなかった。湿度を解決するために、午前中に蘭葉に水を噴霧するのはいかがでしょうか?翻訳を使用するので、ご理解願います。
飽差値は25℃を超えるような高温時、特に冬でも30℃を超えるような施設栽培で利用されている概念で、無加温栽培や露地栽培では特に考えなくても良かったことです。
あまり神経質に考えていると寒蘭作りが面白くなくなりますね。
私が酷暑対策としてやってきたことを飽差値の概念で見てみるとこんなことだった位のことで良いと思います。植物は環境が悪くなると思わぬ反応を示します。
これから暑くなる夏場は必要な光合成量を朝夕の極短時間で確保しているのかもしれません。
飽差値の記事が当ブログに出るまでは、光合成はとにかく適度な明るさを保つことくらいしか頭に無かったです。そこに湿度が必要だと分かってからは潅水時間を少しずらせていました。今時期は早朝ではなく9時頃(ただし休日の日限定)にすることで湿度が少しでも保ってくれればとの思いからです。今回の記事のように、寒蘭栽培の上達はいかに自分の蘭舎に見合う条件を整えられるかだと改めて実感しました。
今年は加湿器の良さそうなのを見つけたので試してみようかと思います。
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