2016年02月12日(金)
生物性4 [寒蘭の勧め(旧)]
生物性の阻害要因を幾つか挙げたが、他にもいろいろとあるだろう。
これらの阻害要因を少しでも取り除いていくことが大事だが、生物性がおかしくなった蘭の対処法があるので紹介したい。
かつて私も生育の良くないか株は何らかの病気だろうと根の消毒をよくしていた。ことあるごとにダコニールをたっぷりとかけていた。また根の茶黒いのは炭疽病が原因ではないかとアミスターやゲッターを全鉢に年3,4回潅注していたこともある。
大きくて丈夫な株はこれでも蘭菌は再生し良好な生物性にすぐになっていたと思うが、小さな株や葉緑素の少ない黄金葉は蘭菌が大きなダメージを受けその後の雑菌の繁殖により株を拗らせていた。
蘭菌の茸は椎茸や松茸のように人目に付くことはない。おそらく0.数ミリの大きさだろう。それでも茸を地上に出して胞子を飛ばしているのだろう。
新芽の根は発生直後は蘭菌を持っていない。新根がある程度成長して外部から感染している。親バルブには蘭菌があってもバックバルブを経由して新芽に到達することはない。直近の根から土の中に菌糸を伸ばしそれが新根に到達することによって感染しているか、胞子を土中に放出し新根の先端に付着した胞子の発芽で感染している。
上の画像は数年前に拗れた黄金葉の小苗を丈夫な山苗に寄せ植えしていたもの。
画像の左の苗はバックから2芽外した物で根が良くなく先端を切除した。何年も拗れて作れなかった株だ。右の苗は生育良好な山苗だ。
左の株を右の株に根が絡むように寄せている。
それをこの状態で鉢に植える。
蘭菌を強制的に感染さす栽培法で「根絡め寄せ植え法」とでも言ったら良いか、これが上の画像のように拗れた苗が良く育つのだ。新たな根が伸びれば優良な蘭菌が感染する。またそれだけでなく蘭菌のネットワークにより大きな株の貯蔵養分が小苗に供給されて生育自体が良くなる。ペロトンから伸びる菌糸が栄養を遠くへ運んでいると考えられる。
Posted by woods at 2016年02月12日(金) 06時33分 トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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