2016年09月25日(日)
三相構造 [寒蘭の勧め(旧)]
土壌の三相構造において「理想割合=固相40%、液相30%、気相30%」はよく聞くところだが、
実際に自分の土がどんな割合かを知っている者はほとんどいないと思う。
調べるには実容量測定器とか高温乾燥機とか専用の機械が必要だからだ。
そこでなんとか簡易な方法がないかと思っていところ、ホームセンターでこんなのを見つけた。米とぎシェーカーだ。
使い方はこんな感じだ。
ユーチューブに動画があった。
今回調べたのは市販の「ラン土」
画像の左下=中粒、右下=小粒、上は中と小を混ぜたものだ。
もちろん自分の配合もだ。
画像の左が私が使っている配合。右がラン土の中と小を混ぜたもの(上の画像の上のもの)。
実際には水分0の土壌がどれだけ水を吸っているかを測るのだが、高温乾燥機が無いので風乾土で測定した。とにかく1ヶ月以上陰干しし水分を抜く。それでも重量で普通の土は5%程度は水分を含んでいる。赤玉土などは10%くらいはあるかもしれない。厳密で無いが吸水量を3%補正した。
米とぎシェーカーの容量は約950ml。これにすり切れに土を入れる。
蓋をし逆さにし水を入れる。
950mlの容器に土を入れて水を入れるとこの場合610ml入った。一晩かけてしみ込ます。
水を含んだ土を逆さにして、自然落水させる。本当は24時間は必要だが12時間かけて水を切る。
落水した水が左のカップだ。360mlあった。
610ml入れて自然落下した水(重力水)が360mlだ。風乾土に差し引き250ml残ったことになる。容器が950mlなので水が入った分を除くと340ml。340mlが固相、360mlが気相、250mlが液相相当分となる。ただし水分が5%程度含む風乾土のため吸水量を補正する(とりあえず吸水量3%増とした)。
これで出したそれぞれの土の三相分布が下表だ。
Posted by woods at 2016年09月25日(日) 21時48分 トラックバック ( 0 ) コメント ( 2 )
コメント
こんばんは
今回のは三相分布のバランスを言っていて自分の土がどんなか知らないではいけないと思い調べてみました。
簡易な方法ですが結果は良かったと思います。
バランスが良くない土の何がいけないかなどは、ネットを検索すると出てくると思います。調べてみて下さい。
今回私がやった方法は誰もが簡単にできます。皆さんの参考になればと紹介しました。
こんにちは
いつもながら興味深い分析のアプローチで感心しています。
たぶん蘭が日を浴びて水や肥料を吸って大きくなるためには、葉の光合成(各季節の天候や遮光条件などなど)と、根の周りの環境からの水分、養分の吸収(灌水、施肥、らん菌の活動、有害菌の活動、通風、植え替え頻度などなど)がバランス良く行われることが基本で、カッコ内のような様々な要素があって、それらが相互に関連しあって蘭の生育が行われているのだろうと思っています。
土の三相構造もこれらバランスを構成する重要な要素で、生育にどのように影響するのかたいへん興味深いですね。
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