new Woodynote

    Woods@管理人のブログです。

7

2017


            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

検索


カテゴリーリスト

2017年07月19日(水)

腐敗病について [最近の蘭舎(旧)]

そろそろやっかいな病気が出始めているので、既出ですが参考までに以下に関連記事を載せました。文章を書くのは苦手ですので理解しにくいかもしれません。解らないことは別途質問して下さい。

寒蘭腐敗病(フザリウム菌)の発生メカニズム

胞子は水で簡単に運ばれる。灌水で周りの鉢に飛び散り、土の中に流れて行くと、多くは死滅するが、運の良い胞子は目の前に根が近づいてくるとその刺激?で発芽し菌糸が根の中に侵入する。菌糸が根の中心の導管まで伸びてくるとその中で胞子を作る。この胞子が水の流れにのりバルブまで届くと、バルブの中で発芽し繁殖することで地上部を犯してしまう。これがスボ抜け症状として現れる。ただこれだけに留まらず、バルブの連結部を通してバックバルブまで感染し発症してしまう。最後には株全体が腐ってしまう。

菌が侵入できるのは根の先端の伸張中の根冠部のようだが、何らかの原因で傷があると傷口からも侵入してしまう。新芽が袴を割って伸びてくるころは袴の割れ目からも感染しやすい。

スボ抜け症状は新芽に起こるが、これは新芽の根がフザリウム菌に犯されやすいとことに起因していると考えられる。2年生以上の根には先にラン菌が定着していて、糸状菌同士の拮抗作用でフザリウム菌を抑制しているようだが、1年生の根は最初は無菌であり、ラン菌を取り込もうとしているため、同じ糸状菌のフザリウム菌には無防備で簡単に侵入されてしまうのではないだろうか。

また、古い根であってもなんらかの原因でブザリウム菌の勢力が強まってしまうと菌糸が侵入してくる。2年生以上のバルブではズボ抜け症状は見られないが、代わりに、葉がバルブの元から黄化し少しの刺激でぱらりと落葉する症状が見られる。道管やバルブの中で菌糸が増殖してきて道管を詰まらせてしまい、地上部に水を送れなくしてしまうからで、初期症状として葉が何となく生気を失せて萎れてくる。こちらもバルブの連結部を通してバックバルブも感染してしまう。(逆にバックの方から症状が出て新しいバルブに移っていくこともある)

フザリウム病で問題になるのが、発病したら株全体が枯れるまで収まらないことだが、これが1〜2ヶ月の短期間に留まらず年を越えて発症していくことがある。
それと2年生以上の根では感染してから発病するまで長期間(数ヶ月から数年)かかっているようだ。
さらにやっかいなのは、発病した株の残渣が感染元であるばかりか、胞子の状態で越年し数年間は感染する危険性を持つことである。
胞子はほとんどが数ヶ月以内に死滅するのだが、なかに厚膜胞子となって数年生きながらえる物がある。この胞子もそのままでは、土の中で栄養となる物がない状態では発芽しないが、根が目の前に近づいてくると根から分泌される養分で発芽し根を犯してしまうこととなるのだ。

残渣は発病株を処分すれば良いが、厚膜胞子が潜む可能性のある土や鉢は古い物を使わず新しいもか消毒済みのものを使用する必要がある。
これでも完璧でなく、親バルブのどこかに付着している可能性もあり、いつか土の中にこぼれて根に遭遇するかもしれない。とてもやっかいな病気なのだ。

腐敗病は、症状的に急性なもの慣性なもの色々ありなかなか判断が付きにくいと思いますが、スボ抜け症状を認めたときは速やかに正常な蘭から遠ざける、隔離することを徹底し、繰り返すことで根絶できる病気です。
腐敗病かただのズボヌケかと思いながら何時までも蘭舎に置いておくことが、この病気を蔓延させている大きな要因です。

Posted by woods at 2017年07月19日(水) 07時10分   トラックバック ( 0 )   コメント ( 5 )

コメント

katsuya さん 
腐敗病ではなさそうなので様子見で良いと思いますよ。
傷から雑菌(フザリウム類ももともと雑菌)が入っただけならその内収まると思います。
必要以上の薬剤処理して蘭菌を殺してしまわないことですね。

woods 2017年07月19日 18時02分 [削除]

私のところにもおかしなのが出てきました。この間新芽の写真を投稿した鉢ですが、去年の葉の1枚だけが黄化しています。その前から全体的に葉先枯れや黒点が目立ってきたなという感じでした。
ただ、思い当たるのは芽欠きの際に根の間に無理やり鋏を入れたので根などが傷ついたのかもしれません。このような症状は初めてなので一応隔離しましたが、何か対策などあれば教えて下さい。

katsuya 2017年07月19日 17時45分 [削除]

永瀬 秀利 さん
如雨露で1000倍液を直に潅注しないと予防効果は無いと思います。発生を見たら今の時期でも9月までに2〜3回程度の潅注は仕方ないと思います。
土や鉢に飛散した胞子を殺菌しないと他の蘭に移ってしまいます。

takky さん
先日はありがとうございます。腐敗病は株自体が最終的に枯死します。バックの端が葉の黄化の後落葉するのはただの老化現象ですね。

woods 2017年07月19日 17時18分 [削除]

woodsさん 
滋賀のtakkyです。先日はお世話になりました。

上のなかに
「2年生以上のバルブではズボ抜け症状は見られないが、代わりに、葉がバルブの元から黄化し少しの刺激でぱらりと落葉する症状が見られる。」
とありますが、うちでも根の動きが活発な春や秋の時期に古いバルブの葉が茶変してポキっと取れる事がありますが、これはバルブの寿命で生理的なものと思っていますが、そうでは無いのでしょうか?
あるいは別の現象のことを指しているのでしょうか?

takky 2017年07月19日 13時30分 [削除]

貴重な記事をUPしていただき
ありがとうございます。
先日ベンレートTの倍率について
お尋ねしましたが
ベンレートTは1000倍で
ちかじか潅注しようと思うのですが
時期的にいいのでしょうか?
噴霧器で株元にかけるのも
いいようですが、蘭菌との関係も
ありますので、たびたび潅注もしないほうが
ベストだともおもうのです。
あくまで自分の判断でしますので
よろしくご指導ください。

永瀬 秀利 2017年07月19日 12時04分 [削除]

コメント投稿フォーム

名前:(この情報をCookieに保存させたい場合にチェック)
メールアドレス: (表示はされません)
URL: (名前にリンクされて利用されます)
コメント:
パスワード: (削除時に利用)

トラックバック

トラックバックURL

http://www.tosaran.com/ablog5/tb.php?ID=829

ページのトップへ ページのトップへ

最近の記事

最近のコメント

リンク集

RSS1.0

[Login]


powered by a-blog
Copyright (C) 2014 Tosakanran's Site Woodynote All rights reserved.