2013年09月23日(月)
発色法 [寒蘭の勧め]
この時期寒蘭の花を良い色に咲かせようと皆さん苦労していると思います。
わたしも毎年苦労していますが、この時期はいつも澤先生の記述を参考にしています。古くからの人には既出の内容ですが新たな人もいると思いますので紹介します。
要約すると下記のような内容です。
1.寒蘭の発色色素
・アントシアニン (紫 赤紫 桃 紅)
・カロチノイド (黄 オレンジ 赤)
・クロロフィル (緑 黄緑色)
2.寒蘭の花の色を良くするのは
赤色などの波長の長い光線ではなく。可視光の青色から波長の短い紫外線が、発色成分であるアントシアニン系色素及びカロチノイド系色素を増加させる。
これらの色素はクロロフィル(葉緑素、これは恐らく可視光で増加)と混ざり合って色彩が濁ってくる。
色の質については、遺伝的なところによることが多いが、量については光エネルギーによるところ大。
(光は大きく分けて紫外線(1-380nm)、可視光( 380-760nm)、赤外線(760-1000mn)があります。)
3.花色発現にはアントシアニンの構成成分となる糖の植物体内での蓄積も影響する。
このため夜温が高く昼間に光合成で生成された糖が夜間の呼吸作用により消費されると色素の形成はなされない。したがって昼間は光線量のみでなく25−30℃程度の光合成を高めるような高温に、夜間は15−20℃の呼吸を抑えるような低温にするなどの温度管理も必要。
この記述から私の一番の対策は
画像のように窓(出入り口も含めて)を開け広げることをしている。
この窓から午前中の直射日光を取り込んでいる。
なぜならこの第一蘭舎は全面ポリカの波板で紫外線をカットしてしまい、紫外線は開けた窓からしか入らないからだ。
第二蘭舎は発色を十分考えて建てた蘭舎で、直射日光の取り込み窓は大きい。
屋根は紫外線カットのポリカ波板だが、こちら面の波板は紫外線をカットしない塩ビのタキロン波板としている。
第三蘭舎はハウス構造でこちらも紫外線カットフィルムを張っている。
紫外線は巻き上げたサイド窓からしか入ってこない。
Posted by woods at 2013年09月23日(月) 17時42分
コメント
皆さん おはようございます。
ここに書いた発色法については元高知大の澤先生のものです。これに基づいて毎年やっていますがなかなか上手くいきません。
実際、紅花は紫外線をあてることで良く発色すると思いますが、桃花や黄花はそれだけではいけないですね。それと豊雪等はいかに葉緑体を発生させないかが一番の課題で難題です。
土佐寒蘭栽培の目標は、最終的には花の色を競うことにあると思うのですが、これが中々の難題で、今の時期悩みに悩んでいる感じです。タイミングよくテクニックの一部を情報発信していただき有り難く感謝しています。
こんにちは。
屋根は農ビ(アキレスノンキリーあすか)ですが、農ビにも色々あるんですね。この時期には近紫外線をたっぷり通し、色づき光沢の良い作物を作る防塵農ビがよさそうです。
でも季節に合わせ屋根まで張り替えるのは、ちと面倒です。
今晩は
私も発色には、毎年苦労しています。
天気の良い日は、朝10時頃まで蘭を蘭舎の外に出し直射日光を採り、夜10時頃に噴霧器で水を撒いています(蘭舎の温度を少しでも下げて湿度を上げるため)。
これである程度良い色に発色してくれます。
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