Woody note

土佐寒蘭の栽培を趣味にしているWoods@管理人のブログです。

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2011年10月06日(木)

今日の蘭舎 [最近の蘭舎]

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ここ1週間ほどすっきりしない天気続きましたが、今朝は久しぶりに晴天で蘭舎へ朝日が当たった。今朝は薄暗い中、花芽に直射を当てようと蘭舎の中で右往左往していた。隣のおばさんは何をしているかと思ったことだろう。

7時前の第二蘭舎です。

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こちらは東端の棚ですが、この前まで日は全く差さなかったが、今朝は1時間ほどしっかり当たっていた。

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第二蘭舎は3つの平棚の他に作業台があるが、そこも大活躍で日が差していない所の鉢を持ってきて置いた。
ちょうど日が当たるように鉢を移動している。

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こちらは東側の窓際の作業台。
昨日から置いていた青花に日が当たっていた。
青花も直射に当てると堅くて厚みのある良い花になるようだ。

日に当てたくないのが更紗なのだが、どこに置いたらいいのかわからない。この蘭舎で一番暗い所はどこだ(^_^;)

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こちらは第一蘭舎。
この時間帯、全く日が当たっていない。
家の裏にあるこちらは第二蘭舎より朝日は1時間以上遅くなる。

でも構わないもので、「恵」や「鈴華」、「里紅」、「金紫鳥」はここで発色しひな壇に上がった。
ならば今まで通りやったらいいじゃないかと言われそうだか、早朝の日光を加減して取り込めば桃や紫の色が出るのじゃないかと期待している。

Posted by woods at 2011年10月06日(木) 20時33分   パーマリンク

2011年10月05日(水)

卓上の一鉢 [寒蘭の勧め]

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私は寒蘭の花をどれだけ楽しんできたのだろうか。
ここ何年も展示会で上位入賞することに情熱を傾けていたが、それが私の寒蘭作りの楽しみであったのだろうかと自問している。

先日撮った写真だが、なんとも卓上の一鉢は風情があって良い。

Posted by woods at 2011年10月05日(水) 22時04分   パーマリンク

ロクヨン [Digitalcamera編]

宝の持ち腐れ的になっている「AF-S NIKKOR 600mm f/4G ED VR」ニコンの新型のロクヨンです。今年の3月に購入していた。
デジ一眼(当時D100でしたが)を始めた頃、いつかはロクヨンと思いながら欲しくてたまらなかったレンズです。退職の記念に思い切って買っていました。

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何を撮るかですが、寒蘭を撮るために買ったんではないです。
いまのところ朝日や夕日を撮っています。先日アップした月はこのレンズで撮っています。
使わないともったいないので寒蘭も撮ってみようとは思っています。

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三脚・雲台関係は
GT5541LS Gitzo CF6X Systematic Tripod
GS5121LVL Gitzo Leveling Base
PG-02 FG: PG-02 Full Gimbal Head
の3点です。ちなみにカメラはD300。

あまり使っていないのでたいした感想は言えないのですが、重量的には軽い方ではないかと思います。ただし持ち運ぶのは大変です。
ブレは無いようであるような感じですが、レンズのVRがよく効いているので私の撮影内容であれば全く問題有りません。感想になっていないですが。

Posted by woods at 2011年10月05日(水) 22時00分   パーマリンク

2011年09月29日(木)

無消毒鉢の使い回し厳禁 [寒蘭の勧め]

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先の記事「植え替えのポイント」のなかで簡単な鉢の消毒方法を紹介したように、自分は鉢を再利用するときは全部消毒しているように思われたかもしれないが、実際は病気の心配ない鉢はそのまま使ってきた。


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以前はほとんどをこの方法で消毒していたのだが、考えてみると去年も今年も一度もしていなかった。根の悪いのも当然かもしれない。

鉢を簡単に水洗いして、ケミクロンGの1000倍液へ10分間浸漬による消毒。
土が付いたままの鉢を浸けても効果はあると思うが、一応浸ける前には水洗いをしている。この作業が面倒で何年も手抜きをしていた。

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ケミクロンGは農業用の容器や用土の消毒剤である。ほぼ完璧に病原菌を滅菌できる。
成分的にはプールの消毒剤と同類。
1000倍液でもやけどを起こすので、使用時はメガネやゴム手袋が必須。液に手をいれてもすぐには問題ないが、乾くと濃くなりやけどを起こす。このため液が手や顔に散った場合はすぐに水洗いする。

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引き上げて数日放置。
白い粉が残るが気にせずに植えている。気になるようだったらこの時点で水でかけ流すとよい。
日に当てると成分の塩素が飛ぶので早く使いたい場合は日向に干すとよい。

「無消毒の鉢の使い回し厳禁」
いつでも基本はしっかりやっていかないとダメですね。

Posted by woods at 2011年09月29日(木) 15時06分   パーマリンク

2011年09月28日(水)

根圏微生物 [寒蘭の勧め]

ラン菌のことはいろいろと書いてきましたが、ラン菌を含めて根圏微生物という世界があります。
みなさんあまり知らないと思いますが、近年非常に注目されている分野です。解らないこともまだまだ多いですが、というより解っていることが少ないと言った方が良いですが、ネットで検索すると色んな人の記述が見られます。
寒蘭栽培の上で参考になることがいっぱいありますので、いちど色んな人の記事を読んでみて下さい。
私も勉強中です。

http://www.ideshokai.com/navi/kikaku1.html
http://www.mizunobunkaen.com/neken.pdf
こんなところがわかりやすくて参考になります。

Posted by woods at 2011年09月28日(水) 21時28分   パーマリンク

2011年09月27日(火)

憂鬱 [最近の蘭舎]

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寒蘭を作っていると解らないことがいっぱい出てくる。
いろいろ考え過ぎて、結果を悪くすることも少なくない。

今年、私を悩ましているのが新根の黒変。
いまのところ生育には影響ないが原因がわからない。

画像は「福の神」、昨年の本部展ベタの部金賞株。

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いつまで待っても花が見えないので今年はダメかとバックを外し植え直そうとうつしてみた。
なんと3つきた新芽の一つに花芽が付いていた。
株分けはやめて、植戻すことにした。

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根の状態を確認すると、まだ痛みにはなっていないが、成長中の新根が先端部をのこして真っ黒である。

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こちらの新根(中央の伸張中のもの)も茶黒い。

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こちらも(中央やや下の伸張中のもの2本)。

08月23日の「根被の働き」で紹介しているように本来の根である外皮や皮層はまったくもって何ともなく、根被(死んだ状態の細胞がスポンジのようなって根を保護している)だけが変色しているのだが。
見た目に黒いとどうも嫌だ。そのうちどうにかなりそうで怖い。

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ついつい、土が悪いのか、赤玉土のせいかとかいらぬことを考えてしまう。夏場に伸張しているカ所に変色があり、それも今年と昨年のみで、その前はこれほど茶黒くなっていない。この二年灌水回数が多かったのがいけなかったのかとか・・・考え出したら止まらない。

白い根の根被と黒い根の根被を顕微鏡で見ても大きな違いは見あたらない。細胞壁が白っぽいか茶色いかで明確な差はなく白い根もよく見ると細胞壁は茶色くなっいる。
それと外から茶黒く見える物は、ほとんどが付着物である。白い根にも同じような物が付いているが付いている範囲が非常に少なく、黒い根は多いという感じである。
この付着物がどうして付くのか、悪さはしないのか(逆にこれが付いていると蘭の生育が良いような気がするが)を見極めていきたい。

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とりあえず、この福の神は新しい土で植えた。

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7号鉢で植えていたが、3芽新子が付いているので元の鉢には収まらなくなった。
土佐寒では7.5号鉢は嫌われる傾向にあるが仕方なしに植えた。

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この福の神は我が家の看板木だ。
これほど葉が幅を引いて大きな株は他に無いだろうと思う。
一昨年(金紫鳥が優勝した年)も本部展に連れて行ってたが、私は金紫鳥よりこちらに優勝を期待していたほどだ。




長々と愚痴を書いてしまったが、答えは自分で見つけている。
「初心に戻れ」、「手を抜くな」であるが、双六のように振り出しに戻ることも必要だと思う。
とりあえず3年前に戻ろうと思っている。

Posted by woods at 2011年09月27日(火) 16時35分   パーマリンク

2011年09月24日(土)

花芽管理 [寒蘭の勧め]

もう一ヶ月もすると花時期ですね。いよいよ本番が近づいてきました。この時期は花芽をムシに食べられないようにすることはもちろん、花軸が曲がらないように伸ばすことも大切な管理になってきます。

展示会では曲がった花軸では、審査でどうしても減点され上位入賞が難しくなります。家庭用なので花軸は曲がっていても良いじゃないかという人もいますが、ほったらかしで曲がったのでは魅力が半減します。放任で咲かせた花は自然咲きで良いようですが、鉢植えしていること自体が不自然ですのでもう一細工して、その花の魅力を引き出してあげたいものです。花軸を真っ直ぐすることで、見違えるほど良くなります。
(いつかは意図的に曲げて生け花的観賞をするようになるかもしれませんが・・)

花軸を真っ直ぐ伸ばすためにはやっぱり支柱立てが必要です。他の方法もありますが、鉢を回したり、開花してから花軸をいじったりするより、支柱立てが一番楽で良いのじゃないかと思っています。立てるときはしんどいですが、花配りをして蕾の方向が決まるとその後はほとんど手が掛かりません。花軸が伸びて最後の蕾が傾き始めたころが支柱の外し時ですが、ここまで真っ直ぐ伸ばしていると支柱を除けても花は自然とまとまります。
よく展示会当日(会場)まで支柱を立てている人を見かけますが、会場で支柱を外してから姿勢直しにバタバタしています。

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画像は支柱を立てた直後
昨日今日と一気に200本ほど支柱を立てた。基本的な支柱立ての方法は今までも何度かブログに載せているのでそちらを見てください。

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初めはこんな感じで花茎の元から縛っています。
元の方は硬くなっていますが先は柔らかく折れやすいので注意して下さい。

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花芽が上部に伸びるにつれて上へ上へと縛っていきます。

寒蘭は花軸を真っ直ぐ伸ばすことで花の魅力が引き出されているのではないでしょうか。

Posted by woods at 2011年09月24日(土) 19時26分   パーマリンク

2011年09月19日(月)

夏モード終了 [最近の蘭舎]

タイトルは「いよいよ展示会(戦闘)モード」の方が良いかもですが(^o^)

何時までも夏を引きずっていてもいけないと思い、二重にしていた遮光を一枚にしました。秋肥も全鉢に施用し、秋に向けての準備が整いました。明日から、支柱も立て始めいよいよ展示会モードへ突入です。

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第一蘭舎
白色寒冷紗を重ねて張ってたが、遮熱ネット一枚にした。

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全鉢にグリーンキングを施用。見えるかな?

聞かれると思うので・・・
5号鉢へ2g〜7.5号鉢へ4gの割合で表土2〜3ヶ所へ施用。置いたというか載せたと言う感じ。生育が良くない鉢には少なめにしたが、花芽が付こうが付くまいが鉢の大きさで量を決めて施用している。
(この当たり、そんなやり方で良いのか?とよく訊かれるのだが、全体を同じように管理しないとややこしいのと、いままで不都合がなかったことや、花も良く伸びるので、こんなやり方をしている。ただし、前回施肥は6月末。)

色んな作業をこの時期にするのは、そんなことは言えなくなっているが暑さ寒さも彼岸までであり、敬老の日や秋分の日で休みがあったことなどで、深い意味はない。

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第二蘭舎
クールホワイトを重ね張りしていたが、除けた。
南から見たところ

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東から見たところ

変わり映えしませんが、近況です。

Posted by woods at 2011年09月19日(月) 15時31分   パーマリンク

2011年09月18日(日)

植え替えのポイント [寒蘭の勧め]

今回は植え替えの仕方と考え方をまとめてみました(カテゴリ「寒蘭の勧め」の流れの話になり、内容的には既出のものです)

地元でも「植え替えは何時が良いのか」「この時期植え替えして構わないのか」とよく聞かれますが、私はこれには答えに困ってしまいます。いつも「したいときにすれば良いのじゃないですか」と素っ気ない返答になってしまい、相手を怒らしています。

聞いている人は、植え替えに適した時期はいつがいいのか、こんなときに植え替えして病気になってしまわないのか心配していると思うのですが、なかなかこの時期が良いですよとか、ダメですよと言えません。

私は植え替えの良い時期、植え替えして大丈夫な時期というのは無いと思っているからです。反対に目的があって植え替えするのなら何時しても良いと思っています。ただ植え替え時の注意点・基本事項をしっかり守ってもらわないといけませんが。

私は8月下旬から9月中旬までにかなりな数を植え替えしています。
目的は「開花が見込まれた株なのに花が来なかったものが、どんな要因で花が付かなかったか原因を探ることと、来年に向けて対策をいち早くとること」です。

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この株は6芽あり、新芽は5枚葉で親より大きい。画像ではわかりにくいがバックの3芽はやや黄化し痛み始めている。

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根を見ると何カ所か傷んでいる所があった。

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前3芽と後ろ3芽で割ったが、後ろは根の多くが傷んでいた。
前も1本の根の途中が黒変し皮層がスカスカになっていたため、思い切って剪除。

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土を新しいものにして植える。

この株では自分なりに原因は【これだけ大きな新芽を付けてしまうと、根痛みがあるこの蘭にとって花芽を付ける余力がなかったのだろう。】対策は【バックを外し悪い根を切り取った。】ことで納得なのだ。

花芽が付かない原因がどうしても考えつかないものも多いが、根の状態を確認し傷んだところを取り除き、傷んだバックを割ることだけでも一日でも早くしたほうが良いと思っている。(寒蘭の病気は親株からの持ち込みが多い。親株の葉や袴などの枯れこみに菌糸が付着して越年し翌年の感染源となっている。)

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ここからは植え替えの注意点になるが、まずは鉢の簡単な消毒方法

ガスコンロの上に網を敷いてその上に鉢を逆さに置く、サナは鉢の底に載せる。中火〜強火で1〜2分ほどあぶる。鉢から水蒸気が吹き出してくる。この蒸気で菌は死滅する。
先ほどまで植えていた鉢を洗わずにそのままあぶっているが、乾燥した鉢だとひび割れするかもしれない。

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癒合剤は必ず使用

バルブの接合部分はハサミは使わずに手で割って、その切り口に癒合剤を塗布する。トップジンMペーストを塗る方法もあるが、こちらは物理的に傷口をふさぎ、病菌の侵入を阻止する。切り戻した根にも塗ると良い。

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ハサミはバーナーで焼く

新聞紙と軍手は必需品ですか、錆びたハサミも必要。
以前、ハサミが錆びているので人に笑われたことがある。もっと良いハサミを買えと言われた(^_^;)
新聞紙と軍手の使用方法はわかりますよね。一鉢一鉢使い捨てが原則。

このあたりでフザリウムを移している人も多い。

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土は作り置き

袋から出してそのままの乾いた土を使うと根痛みを起こす心配がある。
理想としては使う前1ヶ月から水を掛けて土を馴染ませておくと良い。

(土の再利用は考えない方が良いと思います。消毒の方法もありますが、蘭の生育を考えると新しい土が良いです。)

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消毒は鉢毎に

通常の灌水後、薬液の入ったジョウロで灌注。薬剤は必ず防除目的にあったものを使用。

以前はバケツに薬液を作っておいて何株も一緒に漬け込んで根の消毒をしていた。
これが病気を蔓延さす温床となっていた。言うまでもなくその薬液に効かない菌やウイルスはバケツの中で他の蘭に移ってしまう。

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あまり汚いので見せたくないが・・
私の作業台。この周りに一通りの物(道具)を集めている。

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植え替えした鉢はとりあえずここへ
左下の台へ置いている。

植え替えは思いついたら少しでも早いほうがいいと思います。

問題は病気にならないようにすることです。ただこれもどの時期が一番病気が少ないかということになると思いますが、真冬の一時期を除いて一年中病気は発生しています。実際、私も正月休みに植え替えすることが多かったのですが、植え替え適期としては冬場は中途半端だと思います。秋や初夏の根が伸張するときの前にある程度の処理をしておきたい株も多くあり、痛みの程度も時期によって違っています。
病気を心配せずに一年中植え替えすることが自分としては理想ではないかと考えています。

病気はここで紹介した基本的な作業をしていれば、そうそう起こるものではありません。植え替えの処理が遅れて病気のバルブを残している方がよっぽど危険です。

Posted by woods at 2011年09月18日(日) 21時22分   パーマリンク

2011年09月15日(木)

病気の見分け方2 [寒蘭の勧め]

腐敗病(フザリウム)の画像をアップしないで病気の見分け方というのもおかしいですが。

もしフザリウム菌ならスボ抜け症状の葉を引き抜いてビニール袋に入れておけば、3日もしたらカビだらけになってしまいます。
それとこの画像のように腐ったところからはフザリウムの胞子がうじゃうじゃ出てきます。

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画像の右上にかたまって見える三日月型の細胞がフザリウム菌の大型分生胞子です。
予防方法について質問がありましたが、予防するには、まずはどのように感染し発病するかを知ることですね。


寒蘭におけるフザリウム病の発生メカニズムは、私の推定の部分も入りますが・・・

この胞子は水で簡単に運ばれる。灌水で周りの鉢に飛び散り、土の中に流れて行くと、多くは死滅するが、運の良い胞子は目の前に根が近づいてくるとその刺激?で発芽し菌糸が根の中に侵入する。菌糸が根の中心の導管まで伸びてくるとその中で胞子を作る。この胞子が水の流れにのりバルブまで届くと、バルブの中で発芽し繁殖することで地上部を犯してしまう。これがスボ抜け症状として現れる。ただこれだけに留まらず、バルブの連結部を通してバックバルブまで感染し発症してしまう。最後には株全体が腐ってしまう。

菌が侵入できるのは根の先端の伸張中の根冠部のようだが、何らかの原因で傷があると傷口からも侵入してしまう。

スボ抜け症状は新芽に起こるが、これは新芽の根がフザリウム菌に犯されやすいとことに起因していると考えられる。2年生以上の根には先にラン菌が定着していて、糸状菌同士の拮抗作用でフザリウム菌を抑制しているようだが、1年生の根は最初は無菌であり、ラン菌を取り込もうとしているため、同じ糸状菌のフザリウム菌には無防備で簡単に侵入されてしまうのではないだろうか。

また、古い根であってもなんらかの原因でブザリウム菌の勢力が強まってしまうと菌糸が侵入してくる。2年生以上のバルブではズボ抜け症状は見られないが、代わりに、葉がバルブの元から黄化し少しの刺激でぱらりと落葉する症状が見られる。道管やバルブの中で菌糸が増殖してきて道管を詰まらせてしまい、地上部に水を送れなくしてしまうからで、初期症状として葉が何となく生気を失せて萎れてくる。こちらもバルブの連結部を通してバックバルブも感染してしまう。(反対にバックの方から症状が出て新しいバルブに移っていくこともある)

フザリウム病で問題になるのが、発病したら株全体が枯れるまで収まらないことだが、これが1〜2ヶ月の短期間に留まらず年を越えて発症していくことがある。
それと2年生以上の根では感染してから発病するまで長期間(数ヶ月から数年)かかっているようだ。
さらにやっかいなのは、発病した株の残渣が感染元であるばかりか、胞子の状態で越年し数年間は感染する危険性を持つことである。
胞子はほとんどが数ヶ月以内に死滅するのだが、なかに厚膜胞子となって数年生きながらえる物がある。この胞子もそのままでは、土の中で栄養となる物がない状態では発芽しないが、根が目の前に近づいてくると根から分泌される養分で発芽し根を犯してしまうこととなるのだ。

残渣は発病株を処分すれば良いが、厚膜胞子が潜む可能性のある土や鉢は新しいもか消毒済みのものを使用する必要がある。
これでも完璧でなく、親バルブのどこかに付着している可能性もあり、いつか土の中にこぼれて根に遭遇するかもしれない。とてもやっかいな病気なのだ。

9月25日加筆
腐敗病は、症状的に急性なもの慣性なもの色々ありなかなか判断が付きにくいと思いますが、スボ抜け症状を認めたときは速やかに正常な蘭から遠ざける、隔離すると言うことを徹底し、繰り返すことで根絶できる病気です。
腐敗病かただのズボヌケかと思いながら何時までも蘭舎に置いておくことが、この病気を蔓延させている大きな要因です。

Posted by woods at 2011年09月15日(木) 21時52分   パーマリンク

2011年09月14日(水)

病気の見分け方 [寒蘭の勧め]

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この画像は検鏡してもフザリウム菌や炭疽病菌らしきものが見つからなかった事例です。

腐った部分に僅かに正体不明の菌糸が見えたので病原菌の菌糸かとかと思い、ビニール袋にいれて様子をみた。3日後に黒褐色に変質した所は2,3倍に広がったが、菌は見つからなかった。


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今年のスボ抜け症状のなかで、袴まで腐った物はフザリウム菌がいたが、袴やバルブが正常だったこの鉢からはかフザリウム菌や炭疽病菌は見つからなかった。

なぜ、スボ抜けになったかは不明ですが、腐敗病や炭疽病でなかった事例の紹介です。


フザリウム菌による腐敗病は、当然ですがどこかに感染した経緯があり、病気を貰った可能性のある時期が推測され感染したのは「ああ、あの時かな」と思い当たるものです。
この鉢は小苗の時から5,6年育てたもので、腐敗病が発生した株の近くにも置いたこともなかったので、なっとくなのですが・・・

よくあるのは、寄せ植えの中で他の株が先に腐敗病に犯されていた場合です。数本の中で1本発病して引き抜いて処分しても、残りの他の蘭に感染していることがあります。数ヶ月〜1年前までは感染の危険度は大ですが、2〜3年前であっても感染の可能性はあります。

Posted by woods at 2011年09月14日(水) 22時08分   パーマリンク

2011年09月12日(月)

中秋の名月 [Digitalcamera編]

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みなさんこんばんは
寒蘭とは関係有りませんが、今日は中秋の名月ですね。
ときたま雨も降る変な天気ですが、雲の合間に月が見えていました。

滅多に使うことのないレンズを持ち出して撮ってみました。

上は1000mm相当の生画像。下はトリミングですが月の表面がよくわかります。月はこんな感じなんですね。

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Posted by woods at 2011年09月12日(月) 21時26分   パーマリンク

2011年09月09日(金)

近況報告3 [最近の蘭舎]

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この画像も同じ日に撮っていました。
花芽の画像2枚

1枚目は無名黄金葉桃無点
2年前に元大方蘭会会長故宮渕氏の遺品整理の競りで仕入れたもの。

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2枚目は無名桃紅花。
昨年リビングで咲かせていたもの。

花芽は5,6センチに伸びた物もありますが、だいたいこんな大きさです。
まだ20〜30はこれから出てくるもの(土を切っていない)もありそうです。

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北からみた第二蘭舎内1

この画像の中央やや下、通路を挟んで黄金葉の鉢があります。

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北からみた第二蘭舎内2

黄金葉は大きな蘭の影にならないよう、前列にあります。

Posted by woods at 2011年09月09日(金) 22時03分   パーマリンク

2011年09月08日(木)

近況報告 [最近の蘭舎]

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今の状況を幾鉢か紹介します。

一番目は白妙。白妙もこちらにあります。というか昨年からここにあった。4芽に新芽が3つ、さらに花芽が2つ付いている。

欲張って芽かきをしなかったが、3芽とも普通に育っている。
(本当は毎年芽かきをしてきたので葉が大きくなりすぎて嫌になり、芽を多く出せば小さく作れるかと芽を残しました。)

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こちらは福の神。
これも大きくなりすぎて、小さくしようと芽かきをしなかった。
3芽に大きな新芽が2本+小さな新芽が1つ。
さすがに親3芽では花芽まではこなかった。

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こちらは金紫鳥。
こちらは本当に欲張って2芽出した。
花芽がきた。
3鉢にしているのでこの鉢に花がこなくても良いと芽かきをしなかった。

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これも良い花なので増やしたいと芽かきをしなかったが、花芽が付いた。

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左は1芽で花が付いた。右は2芽で花芽が付いた。

紹介した鉢は昨年も花を付けていたもので葉の成長が遅いですが、だいたいこんな感じです。
幼木から育てて今年初花の鉢は葉が展開したのもあります。

Posted by woods at 2011年09月08日(木) 05時45分   パーマリンク

2011年09月07日(水)

近況報告 [最近の蘭舎]

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そろそろ展示会のために花芽の管理をする頃になりましたね!!

画像は今日の第二蘭舎です。
第二蘭舎は今年から主に紅花や桃花の作場として使うようにしています。

今日は朝日が蘭舎の奥まで当たるように少し窓を改造した。
(どんな発色方法が良いのか試行錯誤でやっています。この蘭舎は屋根は紫外線カットのポリカ張りですが、サイドは特に東南サイドは紫外線をカットしていないガラスネット入りタキロンを使っています。それでも少しでも直射が花芽に当たるようにと考えて改造しました。)

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隣家の屋根の上から庭木越しに朝日が当たる。
この植木はこれから蘭に届く光を確認しながら剪定していく。
この場所は我が家で一番早く朝日が当たるところ。女房に文句を言われながらもなんとか説き伏せて庭の半分を蘭舎に確保したところだ。これが一番しんどかった(^_^;)
今日は6時半頃には日が当たっていた。

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ドア方式にしていた左サイドを、右開きから左開きに変え、コーナーの波板を取り除いた。開口部が南の窓と一体となり開放的な採光部となった。

開口部の壁には4mm目の青色防風ネットを貼った。

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南の棚。

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一番奥の棚。
朝日はこの蘭舎の一番奥まで届く。

Posted by woods at 2011年09月07日(水) 16時53分   パーマリンク

2011年09月06日(火)

ラン菌根菌4 [寒蘭の勧め]

しばらく更新出来ていなかったです。
申し訳ないです。
9月にはいって本格的な植え替えを始めたのですが、根が思ったような出来でなく落ち込んでいました。
二年続きの酷暑でだいぶやられています。秋以降の回復を期待してここ何日か作業していました。

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見飽きたと思いますが、細胞内でかたまり始めたラン菌根菌の初期の菌糸。

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細胞内が菌糸だけの細胞に隣接する細胞(ペロトン)

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菌糸がはっきりとわかる。
我ながらベストショットですね(^_^)v

Posted by woods at 2011年09月06日(火) 21時26分   パーマリンク

2011年08月28日(日)

ラン菌の働き・ショウガ根では [寒蘭の勧め]

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ショウガ根を観察してみた。
これら4枚は実体顕微鏡を覗いたもの。
肉眼で見ても表面に色んな物が付着しているのがわかる。
そのなかで白い糸状の物に注目。

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拡大
菌糸のようにも見えるが太すぎる。
ラン菌の菌糸はこんなに、普通の菌糸もこんなに太くはない。

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さらに拡大
半透明だ。

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もっと拡大
カビではない。

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こちらは上の箇所を輪切りにして生物顕微鏡で見たもの。
根と同じように中心柱がある。(右上のかたまり)
ラン菌やペロトンは中心柱の近くには見えない。

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こちらは表面に近い方。
ペロトンが多数見つかった。

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さらに外側。
実体顕微鏡で見た半透明の糸状のものが、塊でくっついている。

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別の箇所
こぶ状になって糸状の物が生えている。一番上は菌糸のように見える。

全体がペロトン近くにあり菌糸で繋がっているようだ。

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拡大
こぶの中に本体が入り込んでいる。

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さらに拡大
糸状の物はかなり太い。

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こぶの中
菌糸らしき物がペロトンの方に伸びている。

ラン菌は完全世代が不明でリゾクトニア(Rhizoctonia)の一種と言われていたが、完全世代が解明され担子菌のTulasnellaやSebacina等に相当することがわかっているようです。
今までは菌糸ばかり捜していたが、この糸状の物がTulasnellaやSebacina(菌糸以外の組織)ではないだろうか。

ショウガ根ではラン菌ペロトンから伸びているこの外部組織が、根の周辺の無機物や有機物を取り込んで栄養にしていることが容易に推測されるほど、ショウガ根の外部に存在している。

補足この外部組織は担子菌の根状菌糸束のようです。
ラン菌は担子菌であることが確認されています。
Rhizoctonia repensは
不完全菌
のあつかいだった。

Posted by woods at 2011年08月28日(日) 14時36分   パーマリンク

2011年08月27日(土)

ラン菌の働き [寒蘭の勧め]

画像(300x240)・拡大画像(1200x960)

二年生以上の成熟した根にはこの画像のような、デンプン粒?(未確認)の詰まった細胞が見られる。これは葉が正常で枯れたりしていないバルブの根に多くあり、葉が枯れたり痛んだバルブの根にはほとんど見られない。

画像(300x240)・拡大画像(1200x960)

この細胞は中心柱まわりには全体的に多くあるが、周辺には少ない所やラン菌ペロトンと混在している箇所がある。

画像(300x240)・拡大画像(1200x960)

ペロトンは果たして外部から栄養を取っているのだろうかと言う疑問が出てきた。蘭の根には毛細管がないためラン菌の菌糸が根被の外部に出て水や無機物の吸収という役目を果たしていると言われているが、成熟根にはその痕跡が見あたらなかった。1年生の根には無菌の根に外部からラン菌が侵入して増殖するとき菌糸が見られ、2年生の若い根に僅かに確認できたが、成熟根では外部に確認できなかった。(成熟根で根の外部に菌糸のネットワークがないと決めつける訳でなく、あるとは思うが簡単に見つからなかった。農薬散布の影響で用土中に菌糸が少なくなっているのかもしれない。)

成熟根ではラン菌自らが外部から栄養素を取り込み増殖する(一部はあるかもしれないが)のではなく、蘭の根が吸収した無機物や葉で光合成したデンプンを栄養として増殖しているのではないだろうか。(最終的にはペロトンは分解されて消化吸収されるようだが。)

画像(300x240)・拡大画像(1200x960)

【デンプン粒とペロトンが混在している場所の拡大】
ペロトンや菌糸のまわりでデンプン粒が小さくなっているように見える。


画像(300x240)・拡大画像(1200x960)

色々観察して思ったことだが、
何らかの障害や管理不良で葉からのデンプンや根からの水や無機物・有機物の供給が無くなるとラン菌は簡単に死滅するのではないだろうか。それと同時に皮層も破壊され死に至るのでは。

バルブが古くなって根が枯れていくことは仕方がないことだが、栽培管理が悪くてラン菌を死なせてしまうと、皮層も簡単に破壊され死滅するのではないだろうか。(もともと完全な無菌状態で根を出せば、こんな心配はないと言われそうだが、どんなに農薬で消毒しても無菌とはならないようだ。)

【補足】
寒蘭の1年生の根は最初ラン菌のない無菌状態であり、外部からラン菌を取り込もうとする。
鉢や用土、肥料等にラン菌がいない場合、親の根から伸びた菌糸を取り込む。薬液の散布や灌注で用土内に張った菌糸が死滅しても、親の根の皮層細胞内のペロトンが菌糸を再生し新根まで到達する。
1年生の根は侵入してきたラン菌が一つでもあるとそれを増殖し増やしていく。数年経った成熟根はペロトンとなったラン菌で多くの皮層細胞が埋まる。

Posted by woods at 2011年08月27日(土) 14時22分   パーマリンク

2011年08月26日(金)

ラン菌と皮層細胞 [寒蘭の勧め]

【鉢植えのランを水耕栽培すると,出ていた根は発根しかけの根を除いてほとんどすべてが褐変枯死してしまう。これは濃度障害を起こしたのではなくて,根の中にいる共生菌がなんらかの原因となっているものと考えられる。それは,フラスコ出しの幼苗では酸素補給をしない水中に根を入れておいても死ぬことなく水耕栽培が可能であること,さらには水耕して根の枯死した鉢植え個体をそのまま水耕し続けてバルブから新根を形成させると,水中で発根してきた根はラン菌が入らないまま伸長し,その後も水中で褐変枯死することなく水耕栽培が可能となり開花に至ることにより,共生菌は水中の根の中で皮層細胞と酸素を競合し,皮層細胞が死に至らせられるのではないかと推察される。】

画像(300x240)・拡大画像(1200x960)

【画像は死滅状態の皮層細胞】
この手の根は腐っているのでなかなか良い画像が撮れない。
初期は褐色から黒褐色に変質している。進むと腐敗して空洞となる。

蘭の根痛みにはいくつかタイプがある。
肥料障害で外皮がやられ次第に皮層細胞が壊れていくもの(根全体がやられることはなく一部が灰色に変質する)。皮層細胞だけが死滅し根被や中心柱はしっかりしていても中がカスカスになっていくもの(根の元から先端まで変質している場合が多い)。バルブや葉の異常から中心柱が黒変しているもの(病気)。など・・・・

上記も澤先生の記述だが、皮層細胞とラン菌は酸素の競合で自滅する関係のようだ。皮層細胞とラン菌の間で酸素の競合がおこると先に皮層細胞が死滅し、皮層細胞が死んでしまうとラン菌も生きていけない構造なのだろうか?ラン菌が先に死んでくれたら皮層細胞は死ななくても良いのかもしれない。

澤先生の記述は、根を水に浸けた事例だが、鉢の中でも起こっている。加湿による酸素不足も大きな要因だと思うが、ラン菌が皮層細胞を死に至らすのにはもっと複雑な関係があるように思えてならない。

Posted by woods at 2011年08月26日(金) 22時30分   パーマリンク

2011年08月24日(水)

根被の働き2 [寒蘭の勧め]

澤先生が【消化中の根菌】と言っていたものは「皮層の細胞内に菌糸が侵入し、中でとぐろを巻いたり鞠のようになったりと変形し、ペロトンと呼ばれる構造を作る。最終的には菌糸は分解され、植物に吸収される。共存期間中には物質交換も行われ、基本的に無機栄養も有機物も菌から植物に移行する。」というペロトン(菌毬=キンモウとも言う)ですが、今までの観察の中で初期の段階であるもの、成熟途中であるもの、成熟していると思われるものの3タイプ(便宜上タイプ1、タイプ2、タイプ3とします)を確認しました。

画像(123x300)・拡大画像(413x1000)

今までの観察の中では、新芽の根(8月まで)には3タイプとも見ることは出来なかった。外部から侵入してきたと思われる菌糸は、数は少なかったが見つかった。2年生以降の成熟した根には外部から侵入したと思われる菌糸は見つからなかった。

タイプ1は2年生の根に多く、3年生、4年生になるにつれてタイプ2、タイプ3が多くなった。明らかにタイプ1〜成熟してタイプ2、タイプ3へと大きくなっているように思えた。

【私が考える根被の働き】
新芽の根はラン菌を持っていないため、外部からラン菌を取り込もうとするが、硬い表皮のある先端部分はラン菌が入り込めない。少し上部は表皮がなくなるためラン菌の侵入が可能となる。ただし根が成熟してくると根被や外皮はだんだんと硬くなり入り込めなくなる。
表皮が無くなった直後は根被や外皮も入りやすい硬さであり、ラン菌を確保することが出来る。柔らかさだけでなくこのときに根被の細胞は何らかの栄養素を持った餌場となっているのではないだろうか。

この時は他の菌にも無防備なため色んな菌が寄ってきて、その結果、細胞が褐変している。

いったんラン菌が入り込むと(この数は凄く少ない)、根の生育と共に内部で増えていく。あたかも、寒蘭の根が自分の意志で少数精鋭のラン菌を選りすぐって確保し、それを何年もかけて大事に育てているように思える。

夏場には伸張中の根が先端部及び株もとは白いままで、途中が茶褐色に変色しているのをよく見かける。寒蘭が表皮を無くしたばかりの根被を餌にラン菌を呼び寄せようとして、他の雑菌も呼び寄せたことで根被を必要以上に荒らされた結果ではないだろうか。

初期の根被には寒蘭栽培で後々まで影響する大事な使命が与えられているのだ。

Posted by woods at 2011年08月24日(水) 22時06分   パーマリンク

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