2013年05月28日(火)
刷毛は西谷の遺伝的特性? [雑記]
この時期ブログネタが無いので「新芽の刷毛等は西谷の遺伝的特性で他の地域の蘭には見られない西谷物の特異な形質」これを前提とした話を進めてみたい。
「西谷系品種の特徴ある性質の遺伝」については、もはや周知の事実かもしれないが、詳しい内容についてはあまり触れられることがない。一種のタブー視扱いされているのかもしれない。ただし過去の情報を紐解いて整理すれば真実が見えてくる。
画像は土佐愛蘭会の会誌「寒蘭」第77号(平成6年)の178ページ。
「宿毛・中村支部座談会」の中で出ていた地図。
(座談会は平成6年当時、西谷系の蘭が採取される産地が幡多郡で9カ所知られていて、それ以外にもたくさんある。それの多くが種まきだという内容。)
雑種第一代の西谷形質の発現状況は、先に紹介した【香南愛蘭会会誌「蘭友」第三十九号(平成23年10月発行)「カンランの人工交配その結果を顧みて(第五報)」遠藤武雄氏】
の一覧表から読み解けるように、西谷物を種子親にしたときは優性(顕性)遺伝し刷毛物が出現するが、普通種を種子親に花粉親を西谷物にすると劣性になり隠れるようだ。
これから考えて上の地図に示された産地は西谷物を種子親とした雑種第一代であったことが推測される。
上の記事の内容は平成6年の物だが、私が蘭を始めた昭和60年代初頭にはこれらの坪は有名な刷毛物の産地だった。
私は花粉親に西谷を使った雑種第一代でも刷毛物が出現すると考えていたが、一代では隠れてしまうのが本当らしい。
この当時西谷物を種子親にできる人は限られていたので、優性遺伝となった苗がとれた産地は少なかったと思うが、花粉親にできた人は比較的多く、これらの産地以外に西谷の遺伝子を持った雑種一代が多数産出されていたものと考えられる。
続く
Posted by woods at 2013年05月28日(火) 22時04分
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