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2024年02月29日(木)

開花蘭の植え替え [蘭菌活栽培]

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今日は冷たい雨が降っていたので、第一蘭舎の蘭棚で過ごした。

先日中古のノートパソコンを購入し、デスクトップでしている作業をこちらでも出来るように設定した。新NISAの売買もこのノートパソコンで可能だ。今日はYouTubeで音楽を聴いていた。
中央の鉢は屋内の素心花。

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ストーブを焚いて15℃前後。寒い思いをしないで済んだ。

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この蘭は平成21年の山採りで、4回ほど開花した古い蘭。
流石に根も傷み始めた。

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バック一芽外したが皮層までくたびれた箇所がいくつかあり剪除した。

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植え付け方法は山苗と同じだ。ケミクロンで消毒済みの鉢に、新しい配合土で植え付けた。
根の途中から先の傷んだところを剪除するときはバーナーで焼いたハサミを使い傷んだ箇所から1〜2p上の正常な箇所で切り取っている。今回は癒合剤は使わずそのまま植えた。潅水後の薬液の潅注で抑えられると判断したからだ。

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この蘭は「紅薫風」。これも平成21年に採取している。
根被に茶黒くなった箇所や傷が目立ってきているが皮層まで痛んでいるところは無かった。

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最外部の根被は水晶状の先端部以外は死滅した組織で、水が出入りしている。潅水直後はしばらくは水が充満しているが貯水能力は無く土が乾いてくると水も無くなってしまう。この根被と根の表面から数pの土壌に根圏微生物が無数に存在する。山苗の当初は蘭菌が主体でその他の微生物は少ない。それが年を重ねるにつれて蘭菌以外の微生物が繁茂してくる。根被が黒いのはこの微生物の死骸が水に溶けて入り込むからだ。大量の微生物の死骸があると黒くなる。寒蘭根はこの微生物や死骸から栄養素を吸収して育っている。
画像の根には長い傷や穴が見られるが、これは線虫類など小動物の食べ痕だ。根被部分で止まっていれば全く問題ない。
問題は病原性をもった炭そ病菌や腐敗病フザリウム菌が皮層に侵入することだ。その後中心柱まで入り込んで、水や肥料を吸い上げたり葉で生成された糖分を根に下ろす維管束まで侵して枯死させることだ。

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自分は蘭菌活用栽培をしているので、蘭菌をむやみに殺す根の消毒をしていない。年に数回キトサンを潅注しているが、これは腐敗病の予防のためである。キトサンはミズホのキトチンキ1,000倍液をメインにJAの有機液肥クミユーキ2号を1,000倍で混合して潅注している。キトチンキは農薬でないので蘭菌への殺菌効果は無い。現在の根の消毒は植え付け時のタチガレエース液剤の潅注のみだ。例外的に腐敗病が発生したときのみ発生株の1メートル範囲にベンレートTを潅注している。これは蘭菌を傷めても腐敗病の蔓延を防ぐことを優先しないといけないからだ。ただしここ何年もしていない。

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画像は山苗のショウガ根。
実体顕微鏡で観察できるくらい外部に寒蘭菌の菌糸が出ている。

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少し拡大している。
見えているのは根状菌糸束と言う菌糸が纏まったものだ。一般的な植物の細根のように出ている。蘭には細根がないので細根の働きをしていると考えられる。
根状菌糸束以外の個別の菌糸は多数出ていると思うが細すぎて観察できない。

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画像は寒蘭の根の構造図
皮層の細胞の中にある黒い点が寒蘭菌の菌根菌ペロトンである。
寒蘭菌は通常であれば寒蘭の防御機能で維管束のある中心柱(針金根)には侵入できない。侵入すれば病原性を持つことになる。そして中心柱近くの皮層にも留まることは出来な。表面近くにの皮層2/3くらいで留まっている。ここで葉から光合成で生成されたデンプンをペロトンに変えている。
ペロトンが十分に発達した根では、外部からの病原性を持って侵入してくる菌を抑制している。夏場や何度も開花している蘭はこのペロトンの量が減っている。そのため侵入を受けやすい。

Posted by woods at 2024年02月29日(木) 16時57分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2024年02月28日(水)

2年生の植え替え [蘭菌活栽培]

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画像は山苗を植え付け後の初回の植え替え。
5号鉢に山苗を植え付けて2年経ったものを6.5号鉢に植え替えている。

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植え替え方法は4年生と全く同じだ。
できる限り蘭菌を傷めないように作業している。

Posted by woods at 2024年02月28日(水) 22時38分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 2 )

2024年02月27日(火)

再生土 [蘭菌活栽培]

蘭菌のことを考えると、山苗の植え付けや植え替え時は消毒した鉢や新品の鉢へ新しい未使用の土で植えるのがベストだ。
ただ2年使った土を破棄するのはもったいない。病気が出ていない鉢土はこけが生えたり肥料が残っている表土は捨ててゼオライトを少し混ぜて使っていた。病気が心配な土はケミクロンで消毒して再生していた。

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画像はゼオライト

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画像はヤシ殻バーク。ホームセンターで野菜の土として安価で売っているものだ。水をかけて湿らしたあとしばらく寝かしていた。
このヤシ殻バークは植え替えの古土や消毒済み土にゼオライトを混ぜたあと試験的に一部の鉢で入れていた。蘭菌や根圏微生物の増殖に良いのではないかと思ってだ。多く入れると加湿で根が腐ってしまうので加減が必要だったが、概ね予想した結果が得られた。
植え替えしていると根の生長の悪いものがある。そんな株には積極的に入れた。ただし第三蘭舎のプラ鉢植えの蘭だけだが。陶器鉢に使うのはこれから検討したい。

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今回、正式にケミクロンで消毒済みの再生土にヤシ殻バークを混合することにした。

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適当だがゼオライトを少しとヤシ殻バークを少々加えて。
スコップで攪拌。

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混ぜた後はこんな状態だ。

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この状態で何日か置いておこうと思う。雨は当たらないようにする。
どれくらいバークが入るかは計算すると出るが、少々多くても植え付け時に5mm目の篩でふるうので、余分な物は無くなる。電気的に土壌粒子に付着している物だけが残る。

Posted by woods at 2024年02月27日(火) 20時12分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

今日の植え替え [蘭菌活栽培]

ブログを続けていくと言ったが、技術的な事柄は過去記事に掲載しているので今更という感じになると思います。
今回から視点を代えて蘭菌サイドから見た話にしたいと思います。

蘭菌は蘭の種類によって異なり、寒蘭の蘭菌と近接種の春蘭の蘭菌が同じと言うことは無い。風蘭の蘭菌も異なった種類だ。このあたりの研究はあまり進んでいないが、以前風蘭の論文を目にすることがあった。風蘭という種は世界各地に分布していて、少しずつ変異があるが、全て共通の蘭菌を持つというものだ。最初の原産地で獲得した蘭菌との共生を保持したまま全世界に分布したようだ。寒蘭や春蘭も同様だと思う。原産地の東南アジアで獲得した蘭菌との共生を日本に北上するまで維持し繁殖してきたのだろう。エビネ蘭は日本原産なので共生菌はもともと地元に有ったようだ。

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画像は令和2年7月に採取した山苗だ。2年で植え替えしているので、今回で3回目の植え替えになる。

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こちらも同じように3回目の植え替えだ。この時点でプラ鉢へ植え込む。
山苗は山から採ってきたまま、根は洗浄せず山の土が少しでも多く根の周りに残る状態で植え付けている。出来るだけ蘭菌を傷めたくないからだ。
植え付け後は、最初余分な微塵が流れ出るようたっぷりと潅水する。その後重力水があらかた切れる数分後軽く2回目の潅水をする。続けて如雨露でタチガレエース液剤とキトチンキ(キトサン)各500〜1000倍液(HB
-101数滴入り)を潅注。薬液が濃い場合は重力水がある程度残っている時にやり、薬液が薄ければ重力水がある程度無くなってから潅水している。


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蘭菌をできる限り傷めないように根の消毒は最小限にしている。
タチガレエース液剤は、当初はフザリウム菌や立枯れ菌の特効薬として使われていた。蘭菌が属するリゾクトニア菌類には効果が薄かった。キトサンはフザリウム菌の胞子に特異的に効き腐敗病の予防効果が高いことから混合している。(キトサンは別途液肥との混用で年数回潅注すると根圏微生物層の調和をはかって色んな病気の発生を抑えている。寒蘭菌との相性も良い。)
自分は地上部の消毒にバリダシンを散布しているが、この農薬は稲のもんがれ病の特効薬として使われていた。もんがれ病はリゾクトニア菌なので蘭菌には殺菌力が高いと思う。そのため絶対に潅注してはいけない。

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山苗は4年目にプラ鉢植えしてからの植え替えも同じだ。

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この株は6年生の黄金葉。
黄金葉だったので生育が遅かったが、今年は花が見られそうなので陶器鉢に植え替えた。これも植え付けの処置は同じだ。蘭菌をできる限り傷めないように、農薬の潅注は植え付け時の1回のみだ。ただし、腐敗病が流行った頃は年に3回ほど農薬を潅注していた。その程度の回数であれば根の中にある蘭菌(ペロトン)から再生している。根を一晩薬液に漬け込むようなことをすると根の中にある蘭菌まで根絶やしにしていると思う。

途中、根痛みしている場合は傷んだ上部の正常なところで切り戻している。カスカスで針金根だけになっているところは、カスカスな部分をこさいでとり針金根の状態で植え付けることもある。正常なところで切り戻した場合はタチガレエースの効果で切り口は治癒する。心配な場合は癒合剤を切り口に塗布すると良い。植え替え時は目に見えない傷も出来るが、タチガレエースはそんなところにも効きまた一種のホルモン的な作用で発根も促進するからその後の根の発育は良い。自分は薬液にHB−101を数滴垂らして混ぜているが、それが効果が高いとは思わない。キトサンやHBはあくまで土作り資材だ。

Posted by woods at 2024年02月27日(火) 19時51分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

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