2016年02月13日(土)
生物性5 [寒蘭の勧め(旧)]
前回の続きだが
最初、自分は払い越しの蘭で「根絡め寄せ植え法」を試していた。
私が手に入れた払い越し産の蘭は、24ヶ月毎に植え替えるときほとんどすべての根がズタズタになっていることが多かった。比較的作りやすいホル付きの蘭でも良いところが一つも無いものもあった。唯一良く出来たのは本坪から少し離れたところで自分が採った花は良くなかった蘭だった。
払い越し蘭の作りはいろいろ良いと言うことを試していたが、平成13年に購入した「北天の光」が2度ほど根を傷めたとき、どうも蘭菌が弱いのではないかと丈夫な他山のホルモン付き苗と寄せ植えしてみた。
画像は今の北天の光。
根は色は悪いが一本も腐った所はない。
寄せ植えをして3年目くらいだったと思うが平成25年にやっと花を付けるほど成長できた。今でも寄せ植え後に出た根はすべて順調に育っている。
画像は昨年の遅花会。優勝した有紅には負けたが、他の払い越しを抑えて銀賞となった。
こちら(画像の下の蘭)は一昨年手に入れた「肇国」。立派な葉が4芽あったが新子の根以外はすべて腐っていた。2芽にして寄せ植えしていた。
画像は肇国の根を整理した後。
5本はしっかりした根だったが購入時に降りていた根はカスカスに傷んでいた。生きた根は昨年の新芽に降りた2本の根と、購入後に伸びたと思われる3本の根だ。
こちらも払い越しだが大株の根が傷んだとき根がまだ少し生きていた2芽を寄せ植えしていた。その時の根はダメになっているが新たに数本根が伸びてきている。
悪い根は剪除して、もとの株と寄せ植えして植え戻した。
生物性は蘭菌だけを述べてもいけない。
この払い越し蘭も悪い根や古いバックバルブを思い切って除けているので、蘭菌以外の生物性も新たに植え付けした後では大きく変わってくると思う。それがこのような効果になったのかもしれないからだ。ここで断っておくが今まで述べてきたことは裏付けの無い私の経験上の話だ。根本的に間違っているかもしれないので話半分に読んで欲しい。
農業場面においては生物性は有機物の投入をメインにした土作りで改善していくのだが、寒蘭の場合には用土に有機物を混入する栽培法はあまりなされてきていない。
それは、根圏微生物の活動の場が土壌でなく根被を中心としているからだろう。蘭は高等植物で他の植物より根圏微生物を上手に飼い慣らしていると思われる。その一番の特徴が分厚い根被を持っているところだ。
長くなったので次に続く
Posted by woods at 2016年02月13日(土) 08時57分 トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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