2022年09月12日(月)
採光と肥料 [最近の蘭舎(旧)]
そろそろ遮光ネット(遮光率75%)から白の遮熱ネット(遮光率70%)へ交換しないといけない。まだ1週間くらいは良いと思うが暑くなければ早めに変えようと思う。
午前中良く晴れていたが蘭棚の最大照度は13千ルックスだった。大体1万ちょっとの明るさだ。
自分は30年来寒蘭をはじめてずっとだがこの時期に置き肥をしている。師匠にそうするよう言われたのでやっているのだが、自分なりに理由はある。8月上旬頃から花芽は見えてくるが、花芽が出た時に色が悪いと良い花にならないからだ。そのため花芽が出る前には肥料を効かしたくなかった。これは教えてもらったことだが、それの他に自分なりに考えていることがある。花茎に付く花数を多くしないことだ。8月までに肥料をやると花数の絶対数が多くなる。9月の肥料はすでに花数は決まっているので花茎を伸ばすことと花一輪を大きくすることに使われる。(そのため9月の前の施肥は6月としている。液肥や葉面散布剤を使っているが、それは微々たるもので花数に影響するとは思っていない。)
今年は葉先が黄化した蘭が多いようだ。黄化の原因はいろいろだが、画像の蘭は根傷みで葉先が枯れ込んでいた。
葉先が枯れた葉は根の先端(紅で囲った)が腐っていた。
この蘭は変な色の抜け方をしていたが、根は白くて良好だった。
この株は寄せ植えしていた中の1つ。正常な株がある中でこれが酷い。こんな芸なのかと思ってしまう。
黄化の原因が、肥料不足や日焼けなら同じ管理をしている蘭全体に大少はあっても似たような症状が出てくる。所々に出ているのなら別の要因だと考えられる。特に日焼けだと思い暗くするのは良くない。せっかくよく育っている蘭の生育を悪くしてしまう。肥料は新葉の色が悪くなければ肥料切れ(微量要素は別)とは言い切れないところがある。
黄化が今年の夏に今までになく多いのは、光合成装置のオーバーヒートではないかと思っている。今年は梅雨明けが早かったが(実際は例年並みとなったが)、7月と8月が適度に日照があり、雨の降る日も多く乾燥する日が続くことが少なかった。飽差値から光合成可能時間を算出すれば、おそらく例年の何割も多かったのではないだろうか。夏越えをした今の生育が例年よりかなり良いように感じる。それが光合成が多く出来ている結果ではないか。車のエンジンを長時間使い続けるといろんな不具合もで最後にはオーバーヒートして焼け付いて壊れてしまう。それと同じように光合成しすぎると光合成装置(光合成の機構)が上手く作用しなくなり葉緑素が壊れて葉が黄色くなってしまうのではないか。日が当たって光合成している時に水が不足したり、温度が高温になって酵素などが働かなくなったりして最終的に壊れてしまっていると考えるのが妥当だと思う。
対策としては蘭舎の温度を下げること。水分を不足させないこと。光合成の潤滑油である微量要素を適度に補給すること。そんなところだと思う。
Posted by woods at 2022年09月12日(月) 18時02分
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